【冬野菜物語】 -大根-

秋冬だいこんのおいしい季節になりました。とはいえ、だいこんは秋冬だけでなく、春だいこん、夏だいこんと年中出荷されていて全国的に栽培されているようです。

冬の野菜は全般的に、寒さで凍ることがないよう細胞に糖を蓄積するため、甘く感じられるのだとか。

古来からある日本的な根菜のひとつ

大根は西アジアやヨーロッパが原産とされていますが、英名でJapaneseというコトバが入るくらいくらい日本的な野菜です。大根といえば、おでんやふろふき大根、ぶり大根など、いわゆる和食を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。また、たくあん、切り干し大根などの加工品としてもなじみが深い食材だと思います。

国内主流の青首大根。大根は全般的に地表面に近い上の方が甘く下の方が辛みが強いので、用途によって使い分けます。

大根は部位によって食味が異なります。葉に近い部分は固いので細めの千切りにしてサラダや酢の物に。真ん中の部分は柔らかく甘味があるので煮物に。先端は辛みが強いのでおろしに利用することが多いです。

大根1本が使い切れないときは

世帯人数が少ないとだいこん1本全部を使い切れないので半分のものを買うことが多いのですが、旬の時期は安価なため、1本買い。下1/3はおろしてすべて冷凍パックにし、その上の部分は、いちょう切りにして冷凍しました。おろしのパックは数日後、焼き魚のお供として解凍していただいたのですが、辛みが強めでした。上のほうは甘かったのに。大根にも個体差もあるのでしょう。あるいはおろし方が影響しているのかもしれません。

いちょう切りにして冷凍
おろして小分けにし、冷凍

下ゆでのしかた

大根はお米のとぎ汁で(またはお米を少し加えて)ゆでると特有の臭みや辛みが吸着されます。薄切りであれば下ゆでしなくても臭みは気になりませんが、厚切りのときは一手間加えます。

下ゆで方法:

お米のとぎ汁は捨てずにとっておきます。

大根は皮をむいて面取りして、 十字に切り込み入れて・・・、というのが教科書的にはよろしいようです。が、家庭ではなんだかんだで面取りしないのが実情なのではないかしら、と思います。

深めの鍋にお米のとぎ汁を入れ、大根たちを投入。そして点火します。吹きこぼれるのでフタをしないでゆでます。沸騰したら弱火に。

40分くらいゆでて、すっと竹串が通るようであればOK。

湯を捨て、流水でぬかを洗うようにしてその後しばらく冷水にさらします。

ここまで済ませておけば、おでんや、ふろふき大根、大根とさつま揚げの煮物など、いろいろと展開することができます。

だいこんあれこれ

現在、市場に出回る大根の主流は青首大根のようですが、日本各地で地方品種が栽培されているようです。関東地方でも、練馬とか、三浦とかありますね。

そういえば、ラディッシュ(二十日大根)も大根の仲間です。種から家庭で栽培したことがある方も多いのではないでしょうか。ヨーロッパ原産といわれる黒大根など、あまり八百屋(スーパーマーケット)さんで見かけない珍しい品種もあるようですが、こういった大根の仲間はレストランで偶然出会って存在を知る、というパターンが多いです。きっとそういったレストランは畑を所有されていたり、直接農家さんと契約していたりするのでしょう。

かいわれ大根は、大根ではありますが新芽を食べるので、もやしの仲間と考えた方がよいでしょう。こちらは別の機会にご紹介したいと思います。

大根のデータ

分類:根菜類(a.b.)

英名:Radish, Japanese Daikon, Chinese radish

学名:Raphanus sativus

科名:アブラナ科

原産地:地中海沿岸、西アジア

<出典>

分類:a. 野菜生産出荷統計による分類(農林水産省)b. 日本標準商品分類(総務省 平成2年6月改訂)

英名および学名:農林水産省, 作物分類 https://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_sasshin/group/sakumotu_bunrui.html(2021年12月参照)

科名および原産地:板木利隆ほか監修, 『野菜と果物』小学館(2013年)

栄養や成分

大根にはデンプン分解酵素「アミラーゼ(ジアスターゼ)」、タンパク質分解酵素「プロテアーゼ」、脂質分解酵素「リパーゼ」などの消化酵素が含まれていることが知られています。大根おろしを薬味として一緒に食べるといいよ、といわれているのは消化酵素の効果を期待しているからでしょう。

大根の根の部分は淡色野菜に分類されます。ビタミンCの含有量は100g中12mgほどです。一方、葉の部分は緑黄色野菜に分類され、根の部分には含まれないカルシウム、鉄、ビタミンA(β-カロテンを含んだレチノール活性等量)、ビタミンK、葉酸、不溶性食物繊維が比較的多く含まれますので、捨てずに活用するとよいでしょう。

100g可食部あたり(だいこん/根/皮つき/生と葉)

主な栄養素単位 だいこん/根/皮つき/生 だいこん/葉/生
エネルギーkcal1523
水分g94.690.6
たんぱく質g0.52.2
脂質g0.10.1
炭水化物g4.15.3
ナトリウムmg1948
カリウムmg230400
カルシウムmg24260
マグネシウムmg1022
リンmg1852
mg0.23.1
亜鉛mg0.20.3
レチノール活性当量μg‘(0)330
ビタミンKμgTr270
ビタミンB1mg0.020.09
ビタミンB2mg0.010.16
ナイアシン当量mg0.41.3
ビタミンB6mg0.040.18
ビタミンB12μg‘(0)‘(0)
葉酸μg34140
パントテン酸mg0.120.26
ビオチンμg0.3
ビタミンCmg1253
水溶性食物繊維g0.50.8
不溶性食物繊維g0.93.2
食塩相当量g00.1

文部科学省 食品成分データベースより(『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』)作成

MINORI(管理栄養士)

MINORI(管理栄養士)お野菜のこと、もっと知って美味しく食べよう!

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健康のためにはしっかり野菜を食べなきゃ。こどものころからそう教えられ、さらに専門的に学習し、以来、野菜を意識的に摂るようになっています。たぶんそれは、大事なことなんだと思います。ですが、まずはおいしく食べたいものです。おいしかったらきっと楽しいし、たくさん食べたくなります。
お店に並んでいる野菜だけでなく、畑で育つ野菜にも出会って、野菜を知るとおいしく食べられそうな気がしています。

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