野菜をたくさん食べましょうといわれても、実際にどうすればいいのかよくわかりません、という声をよく聞きます。摂取不足を予防的に補うために、毎日コップ1杯分の野菜ジュースを飲んでいる、または毎朝スムージーを作って飲んでいる(ジュース&スイーツ 参照)、という方もいらっしゃいます。
今回は日常生活で野菜不足にならないためのヒントを3つご紹介します。
Contents
1. 朝に野菜と果物をとる
朝食のときに野菜や果物を必ずとるようにしましょう。昼食や夕食で野菜を十分とれないこともありますので、朝食で野菜を補う習慣をつけておくと野菜不足の心配は少し減ります。仮に1日くらい野菜不足の日があったとしても、あとの数日間は多めに食べるようにすればよいのです。
朝食では、作り置きはもちろん、ゆでただけ、切っただけ状態の「ストック」を利用するのも便利です。サラダに展開できますし付け合わせにもなります。味噌汁やスープの具にすることも可能です。
また、諸説ありますが、朝の果物は金、といわれています。1日の始まりにエネルギー源、ビタミン源となる果物をとるのはそれなりに理にかなっているとは思います。
朝食自体をとらない習慣の方は、ご自身の体調と食品や栄養バランスに気を付けて、1日のうちで野菜・果物のとり方を工夫してみてください。
ストックはふだんの調理のついでに作る
<ストックの例>
・ゆで野菜ストック(青菜やブロッコリーなど)
・カット野菜ストック(キャベツ、レタス、キュウリ、トマトなど。変色しにくいもの)
★展開例
・サラダに
・味噌汁やスープ、シチューの具に
・主菜となる卵料理などに添えて
<作り置き料理の例>
・具が多い汁もの(豚汁、けんちん汁、ポトフやミネストローネなど)
・おひたしや和え物
・煮物(カボチャの煮付け、根菜の煮物全般、ラタトゥイユやカポナータ、など)
・マリネやピクスル
・お新香や浅漬け(塩分を控えている方は食べる量に注意)
皮をむく必要のある果物も、変色が気にならないようであれば、カットフルーツにして保存容器や深めのお皿など入れて冷蔵庫へ。朝、出かける時間が違う家族も各自で用意できます。
2. 献立に組み込む
献立を考えることは、楽しい(私は案外あれこれ組み合わせを考えるのが好きな方です)けれど、一方で毎日毎食となると頭を悩ます作業でもあります。
基本は、主食1品+主菜1品+副菜2~3品
野菜のおかずはほぼ副菜(主菜の付け合わせも副菜1品としてカウント)と考えます。野菜の具が多い汁物も副菜になります。ただ、毎回汁物のある献立にすると塩分の摂取過剰になりやすいので、汁物は1日に1回を目安にしましょう。
主菜を決めたら副菜を考える
主菜が決まったら、以下の方法で副菜を考えていきます。
- どんな食材を(野菜の種類、今使えるもの、買い足したいもの、色はどうか…)
- どのような切り方で(薄切り、千切り、角切り、ちぎって、すりおろして…)
- どのような調理方法で(生、蒸す、ゆでる、和える、煮る、焼く、炒める、揚げる…)
調理法や色合いなどを想像し、1食中に同じようなものが重ならないようにしていきます。肥満防止を念頭におくと、油脂類を多く使っているおかず*は複数品ダブらないようして、プランを立てます。
*油脂類を多く使っているいおかず:揚げもの、炒めもの、マヨネーズ和え、バターの多く使われているもの、ごまなどの種実類を多く使ったもの。
3. カサを減らす
加熱する
葉野菜などは特に加熱するとカサが減り食べやすくなります。
加熱には、前述の通り、蒸す、ゆでる、焼く、揚げる、電磁波(電子レンジ)利用、などいろいろな方法があります。カサを減らすだけでなく、食感が変わる、甘味が増すなど、加熱は野菜に多くの変化をもたらします。
電子レンジ調理は、栄養素の損失が少なく環境にもおサイフにも優しく、時短になります。一方で、ゆでこぼして水にさらすことは、栄養素を一定程度失いますが、アクの成分や残留農薬なども除去することになります。腎臓病などでカリウムの摂取を抑えたい場合は、ゆでたり水にさらしたりする方法をとります。
野菜から失われる栄養素を心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、量を多くとるとか他の食品も一緒にとることでカバーはできます。加えて、野菜の保存や加工による栄養素の損失に関しては個体差もあり十分なデータがありません(成分表のデータも参考値です)。ですから、いろいろな種類の野菜をいろいろな調理法でいただけばいいのではないかと考えています。
塩もみする
塩や砂糖を野菜にまとわせると、浸透圧のはたらきで細胞の中の水分が引き出され、野菜がしんなりします。カサが減ってたくさん食べられますし味もなじんできます。
きゅうりやキャベツ、白菜、大根、かぶなどは塩もみに適しています。絞って水を切ればそのままでも食べられますし、酢の物や和え物に展開したり、さらに加熱してもおいしく食べられます。
今回は以上です。お読みくださりありがとうございました。