レモンはどうしてすっぱいの? レモンの一生 -Why are lemons sour? The life cycle of lemon-

家庭内やシェア農園などで、コロナ禍をきっかけに野菜を育てる方が増えていきているように思います。
わたしも自宅の小さなスペースで野菜やハーブを育てていますが、最近は果樹を育てることにも興味がわいてきました。家の周りを見ると、思いのほか果樹を育てている方が多いことに気がつきます。

レモンは自家栽培しやすい人気の果実

レモンは育てやすく、実が成っている間はいつでも欲しいときに収穫できるので、便利でうれしい果樹です。
無農薬で育てることもできますので、安心して皮まで食べられるのも魅力ですね。

国産レモンは買うと少々お高いので、自分でレモンを育てるのは経済的ともいえるでしょう。
レモンは最近人気の果樹だそうですが、うなずけます。

レモンは、地植えして数年たつとたくさんの実を着けます。

大きく育つのと寒さに弱いので、地植えするにはそれなりの環境を用意してあげる必要があります。

一方、ベランダなどで鉢植えで育てることもできます。
実は、Kuwatoteキッチンのライターのひとり、毛髪診断士の鈴木大地もベランダで育てていて、苗木を買ったその年に3~4個収穫できたそうです。
わたしも、一昨年自分の身長と同じくらいの高さのレモンとライムを1本づつ、鈴木農園さんにご手配いただき入手しましたが、その年の収穫はレモン2個、ライム1個でした。
今年は肥料を十分与えていることもあり、たくさん花が咲いて結実しているので、これから先が楽しみです。

さて、世田谷等々力鈴木農園さんには果樹のエリアがあって、主にお嬢さんが担当しています。レモンはどんどん大きく育ち大木になるので、高さをほどほどにして実を取りやすくすることが大切です。3月は、剪定の時期。
今回は、レモンの1年を追ってみました。

レモンの収穫


レモンの旬はいつ?

スーパでは年間を通じて手に入れることができますが、レモンの旬はいつなのでしょうか?
レモンは、年に4回程度花を咲かせますが、日本のレモンの収穫は、秋から冬です。
春3~4月に咲かせた花が結実して大きくなり、秋には青いレモンとして食べることができるようになります。
その後だんだん黄色くなって春までの間は木に成っていて、収穫することができます。

青いレモンも美味しいです。見つけたらぜひ食べ比べてみてはいかがでしょう。

レモンの木の剪定(2月~3月)

葉っぱが元気で美しいのにもったいない気がしますが、これから育つレモンの実のためにも、剪定は大切な作業です。
鈴木農園さんでは、お嬢さんが脚立に乗ってのこぎりで不要な枝を切り落とし、樹形を整えます。
すごい体力を要する仕事なのに、顔色一つ変えず着々と仕事をこなしていきます。
畑の奥にあった大木になっていたレモンの木もかなり伐採をして、すっかり風通しが良くなりました。

レモンの葉は、お花屋さんでも見かけることがあります。
他のお花と合わせて花瓶に入れると素敵な仕上がりになるので見つけたら買っていました。今度から、切り落としたものをいただいて花瓶に生けようと思います。

レモンの花(3月下旬~5月)

レモンの花を見たことはありますか?

世田谷等々力鈴木農園さんのレモンの木

蕾(つぼみ)は少し紫っぽいピンクで、白い花が咲きます。
甘く軽やかな香りがして、個人的には、ハゴロモジャスミンの香りに似ていると思います。越冬のため部屋の中で育てていた時は、花が咲くと部屋中甘い香りに満たされて、幸せな時間が流れていました。

レモンの花は、雄しべと雌しべの両方がある両性花で、蜂や風などによって受粉をすると雌しべがだんだん大きく育って緑色の実になっていきます。

レモンの結実(4~5月)

花の咲く前の3月頃と、結実した後の6月頃に肥料を与えます。この頃には、新芽がどんどん出てきて実が大きく育っていきます。葉っぱが増えることで、光合成を行って栄養分を養っているのですね。

生理落下といって、自分の体力に合わせて実の数を調整するために小さいまま落ちてしまう実もあります。寂しいですが、木がもつ力以上に実をつけることはできないので、見守るしかないです。

この子たちも、土に返って木の養分になって生き続けることでしょう。

レモンの収穫(10月~2月頃)

そして、いよいよ収穫。
無農薬で育てたレモンは、余すところなくつやつやの皮ごと美味しくいただきます!

レモンを無駄なく美味しくいただくおすすめレシピはこちら。
塩レモン

「レモンはどうしてすっぱいの?」

レモンの酸っぱさは、クエン酸の酸味。レモンには、クエン酸が多く含まれているのですごく酸っぱく感じます。疲労回復や健康に良いことで知られていますね。

けれども、他の果物と比べてなぜこんなに酸っぱいのでしょうか?

例えば、みかんの実は甘いので鳥たちも甘い実を食べたくてやってきます。気が付けば穴だらけに💦

みかんを狙うヒヨドリ

ヒヨドリがつついて実を食べた後には、メジロがやってきます。(あの、「目白押し」のメジロ!)
みかんとメジロ

みかんの実を種ごと食べた鳥は、飛んで行ってみかんの種が入った糞をして、みかんの種は拡散していきます。種を遠くまで運んでもらうためにも、みかんの実は甘くなるという選択をしたのでしょう。

それでは、レモンの場合は?

レモンは自らの実を酸っぱくすることで、甘い実が好きな鳥たちに食べられることを拒んでいるように見えます。

レモンは青~黄色に変化して、さらに熟すと黄色がオレンジ色に近くなるものもあります。
熟すことで他の果実と同様に酸っぱさが少なくなってきます。マックスに熟している果実は甘味さえ感じることがあります。このような状態になると食べることができる鳥も出てくるかもしれません。

実が熟す前は、酸っぱくして鳥たちを寄せ付けず「種を保存」し、種を完熟させる。

レモンは多くの場合、熟す前に収穫してしまうので、木に成っている状態で何かに食べられてしまうのを目撃する機会が少ないと思います。
そう考えると、レモンの大敵?で、実は種の保存の貢献人は、人間かもしれません…

人間も動物の一種。「美味しいお料理や飲み物に適している!」と思った人間は、原産地であるインドから、レモンをはるばると様ざまな国へ伝えていきました。

レモンはインドのアッサム地方が原産で、地中海沿岸諸国(ちちゅうかいえんがんしょこく)につたえられ、とくにイタリアで栽培(さいばい)がさかんになりました。
イタリアのシシリー島やアメリカの南カリフォルニアは有名です。

レモンは冬季(とうき)に温暖(おんだん)で、夏季(かき)に雨の少ないところが栽培に適(てき)しています。

現在(げんざい)の世界のレモンの生産の多い国は1位がインド、2位メキシコ、3位中国です。

2019(令和元)年に日本へは約54,287トン、おもにアメリカ(57%)、チリ(37%)から輸入されています。

2018(平成30)年の国産レモンは約5,528トン生産され、広島県(42%)、愛媛県(31%)、和歌山県(10%)など、21都府県で栽培・出荷されています。

農林水産省ホームページ「特産果樹生産動態等調査」


いかがでしたか?
レモンのことを少しでも身近に感じていただけたらうれしいです。
大事に育てられたレモンです。残さず大事にいただきたいものです。

レモンを使ったレシピはこちら


おまけ
「びわ」は敷地内で育ててはいけないという言い伝えがありますが、本当なのでしょうか?

山口かをる(畑料理研究家)

山口かをる(畑料理研究家)スパイシーなお料理はおまかせください

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