日々のおしゃれに欠かせないヘアカラー。気分転換に髪色を変えたり、伸びてきて染め直したりと、カラーリングを繰り返し楽しんでいる方も多いはず。しかし、ヘアカラーを繰り返すことで発生するリスクもあるのをご存じでしょうか?今回は元美容師で毛髪診断士の鈴木大地が、ヘアカラーのリスクとケア方法を伝授します。
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ヘアカラーのメリットとデメリット
まず、ヘアカラーの大きなメリットは、見た目が整って、気分が上がるところです。見た目が綺麗になると周りの人から見られるイメージが変わりますし、個性を印象付けることができます。そして見た目が整ったことで、姿を見るたびに自分の気持ちも嬉しくなりますよね。
問題はデメリットです。ヘアカラーに使う薬剤は、1液と2液の2つの薬剤を混ぜて使うのですが、その2液に過酸化水素という物質が含まれています。これは頭皮の細胞を攻撃する活性酸素の一種。高い頻度でヘアカラーを繰り返して頭皮に過酸化水素を塗っていると、どんどん頭皮が酸化し、白髪や抜け毛を誘発する可能性があります。
また、ヘアカラーの薬剤はアルカリ性。人の肌は弱酸性なのですが、アルカリが頭皮に触れていると、頭皮を守る皮脂膜を奪ってしまい、乾燥しやすくなります。すると頭皮が硬くなり血行不良を引き起こしたり、頭皮が荒れてしまったりすることがあります。
さらに、ヘアカラーにはジアミンというアレルギー物質が含まれていて、カラーリングを繰り返すことでアレルギーを引き起こしてしまうリスクがあるのです。
とはいえ、ヘアカラーにリスクがあるからと言って、染めるのをやめる必要はありません。私自身ヘアカラーはとても好きですし、おしゃれの大事なツールの一つなので、元美容師としても楽しんでもらいたいと思っています。ただ、リスクを知っていて続けていればOK。ヘアカラーで起こりうる問題は、対処できるのです。
ヘアカラーのリスクのケアをする方法2つ
ヘアカラーを繰り返して起こりうるリスクには、2つの対処法があります。
●地肌につかないようにヘアカラー剤を塗布する
まずヘアカラーをするとき、頭皮にヘアカラーの薬剤がつかないように気を付けましょう。美容室で施術する場合は美容師さんが説明をしてくれると思いますが、頭皮にべたべたと塗ってしまうと、いつかアレルギーが出てしまう可能性があります。
もしヘアカラーをしていて刺激を感じてつらくなってしまったら、ヘアカラーの種類を変えて対応することも可能。髪自体を明るくしなくてもよければヘナカラーとかヘアマニキュア、明るくしたい場合は地肌につかないようブリーチを使用できます。手段はあるので、美容師さんに相談してみてください。
●専用の処理剤を使ってセルフケアをする
気を付けてカラーリングをしても、やはり頭皮にはダメージを受けてしまいます。頭皮についたアルカリや過酸化水素は、2週間くらいは残ってしまうと言われています。だから染めた後にどれだけ早い段階で、余分な成分を取り除くケアができるか、ということが健康な頭皮のために大切なポイントなんです。
そのケアのカギとなるのが、カタラーゼという成分。この成分が含まれているヘアカラー専用の処理剤で、セルフケアが可能です。私たちが開発した『ZEROカラーケアフォーム』もヘアカラー後のケアとして手軽に使っていただけるアイテム。
シャンプー前によく髪を濡らし、たっぷりと泡を頭皮に揉みこんで、いつも通りにシャンプーをすれば頭皮から余分なケミカル成分をすっきりと洗い流します。さらにシャンプーの泡をきめ細かくしてくれるので、髪の摩擦をやわらげダメージも防げます。
ちなみに、薬剤の成分はシャンプーだけでは落ちません。むしろシャンプーをすればするほどヘアカラーを落としてしまい、さらに頭皮の必要な油分も洗ってしまうので、色落ちや乾燥を引き起こすことになります。あくまでシャンプーは髪についた汚れを落とすためのもの。余分なケミカル薬剤を落とすには、専用のケア剤が適しています。
ケアをしながらヘアカラーを楽しもう!
私自身、白髪の量が多く、かなりヘアカラーをする頻度が高いです。リスクはわかっていますが、やはりヘアカラーによって見た目の印象を整えられるというのも、大切なことだと思っています。
しばらくヘアカラーを続けていきたい方、またやめられないという方も、ぜひ染めた後のセルフケアをしながら、これからもおしゃれを楽しんでくださいね。
<プロフィール>
鈴木 大地(すずき・だいち)
美容師を経て、ヘアケアメーカーにてインストラクターやヘアケア商品の企画開発に携わる。自身の白髪や抜け毛の悩みから、髪について研究し、2019年に毛髪診断士を取得。同年に山口かをるとともに「エブリカラーデイズ」の代表として起業。『ZEROカラーケアフォーム』の企画開発、そしてお客様の髪や頭皮に関する相談を行っている。
取材・文:関由佳