「ひょうたん」と「かんぴょう」-Difference between gourd and bottle gourd-

畑の夏は日陰がないので、一休みするお休みどころが欲しいということで、世田谷等々力鈴木農園のおかみさんと5代目がひょうたん棚をつくりました。

生命力にあふれた「ひょうたん」

つる性の「ひょうたん」はとても強く、支柱を伝ってどんどん伸びていきます。支柱がなくなると地面を這ってさらに広がります。

花言葉は、幸福、平和、繁栄、利得、夢…。で、どんどん増えていく生命力の強さや、末広がりのような丸い形が、縁起良いとされてきたのだと想像できます。

緑の「ひょうたん」には産毛が生えていて、見た目もかわいく、手触りもいい感じ。
産毛は、トライコームと呼ばれていて、「害虫から身を守る」「太陽の強い光を浴びて乾燥するのを防ぐ」「雨に濡れて病害にかかったり腐ったりするのを防ぐ」役割があるといわれています。
小さいうちは身(実)を守るためか、産毛がより濃いですね。

ひょうたんの産毛

「ひょうたん」のルーツは意外に古く、縄文時代にはすでに日本で栽培されていたようです。

原産国は、アフリカと言われています。どのような長い旅をして日本までやってきたのでしょうね。

「ひょうたん」は、食用にはならない。

「ひょうたん」は、ウリ科のユウガオの一種で、食用にされる「かんぴょう」とは仲間ですが、「ひょうたん」は『ククルビタシン』という苦味成分を含んでいて美味しくない上に、厚生労働省によると食中毒を起こした事例もあるので、食用にはしません。

間違えないように気を付けましょう。

実はわたしも、「かんぴょう」は太った「ひょうたん」だと勘違いをしていました。

食用として売られている「ユウガオ(かんぴょう)」

「かんぴょう」はユウガオの果肉部分を干して食用にしたものです。

くびれがないので、皮をぐるぐると剥きやすそうですね。

ちなみに実の部分は、スープにしても美味しいそうです。

「かんぴょう」のもとの「ユウガオ」

写真は、岩手県の室根道の駅で。気仙沼在住の友人からお借りしました。

さて、「かんぴょう」といえば、お寿司。

江戸前の通は最後に「かんぴょう」を頼んだとか。

子供のころはあまり美味しく感じなかったですが、丁寧に甘辛く煮付けたかんぴょうは、今は大人の味で美味しいと感じます。

実は栄養価が高い「かんぴょう」

かんぴょうは、食物繊維、カルシウムやカリウムを豊富に含んでいます。

特に、カルシウムはマグネシウムといっしょに、2:1のバランスで摂ると効率よく吸収されるといわれていますが、かんぴょうのカルシウムとマグネシウムは、ほぼ2:1の比率で含まれています。

もどしたかんぴょうの食物繊維は、生のトマトの約6倍。

カルシウムは、骨や歯をつくる大事な成分として知られています。不足すると骨粗鬆症になる恐れがあるほか、イライラの原因にもなります。適度に補うために、巻き寿司などでかんぴょうを食べてみてはいかがでしょうか。(成人の大人に必要なカルシウムは、600㎎。かんぴょう100g中に含まれるカルシウムは、250㎎です)七訂日本食品標準成分表より

「ひょうたん」の用途

お話を「ひょうたん」に戻します。

「ひょうたん」は、昔は中をくり抜いて水筒や酒の貯蔵として利用されていました。

「ひょうたん」の表面に開いているごく小さな穴から水が蒸発する気化熱で、中身が低温に保たれます。

また湿気を取る性質があり、それが七味唐辛子を乾燥を保ちながら保存しておくのにも適していたのですね。形にはっきりとしたくびれがあるものは、中身が少しずつでてくるので容器として使い勝手がよかったのでしょう。

実際のひょうたんは、写真のようにはっきりくびれがあるのもあれば、そうでもないのもあります。

飾り物や照明に加工して様ざまな形を楽しむのもすてきですね。

世田谷等々力鈴木農園では、加工用に買い求める方がいらっしゃるので、ひょうたん棚は、初夏から秋の定番となりそうです。

山口かをる(畑料理研究家)

山口かをる(畑料理研究家)スパイシーなお料理はおまかせください

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