先日、農林水産省の「野菜を食べようプロジェクト」の野菜サポーター交流会に行ってきました。
そこで、同じく野菜サポーター企業の東洋アルミさんから、“石焼きいも®黒ホイル”をご紹介いただきました。

この黒い面を外側にして包んで焼きます。黒は熱を吸収しやすいので、ぴったり包むことでサツマイモに早く熱を伝え、時短になるというもの。
最近サツマイモをいただくときは、特にねっとり系の芋なら、アルミホイルに包んで魚焼きグリルに入れるだけ、を遂行している私。特売の(!)紅はるかを多めに買い込み、黒ホイルと定番ホイルでどの程度違うものなのか、焼き比べをしてみました。

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サツマイモはなぜ甘くなる?
サツマイモは、加熱すると格段に甘~くなります。これは熱によってデンプンが糊化し、それを糖化酵素(β-アミラーゼ)が麦芽糖(マルトース)に変えるからです。ただし、甘味は麦芽糖だけでなくブドウ糖、果糖、ショ糖などにも由来しています。
また、サツマイモは例えばジャガイモよりでん粉含有量が多く、糖化酵素も多いため、甘味が強いと考えられます。
通常のサツマイモのデンプンが糊化されるのは約70℃。酵素もこの温度帯で活性化しますが、75~80℃になると失活します。そのため、加熱して70~75℃の温度帯に滞在する時間が長ければ糖の生成量が多くなります*。サツマイモは低温でじっくり焼くと甘くおいしくなる、と言われるのにはこのような理由があります。
また、サツマイモは品種によってβ-アミラーゼの活性度合いが異なり、活性が高いほど多くの麦芽糖が生成されるとのこと*。紅はるかは、β-アミラーゼの活性が高い部類*で、甘くねっとりとした仕上がりになる品種。おいしい(あるいは好みに合った)焼きいもは、温度だけでなく、お芋そのもののコンディションも大切ということですね。
*中村善行. いも類振興情報 136, 14-18, 2018


魚焼きグリルで焼く
弱火で9分(タイマー上限)焼いたら火を止め、扉を開けずにそのまま10分、余熱で火を通します。我が家のグリルは、高温になりすぎると警告音が出て自動で止まるタイプ。ほぼ空焼きに近いからか、連続して点火するとNGが出ます。なので、ここで芋に余熱をかけつつグリル自体も少し冷まします。
その後、裏返して上下左右の位置を換え、弱火で6分焼き、また火を止めて余熱5分。余熱時間を含めると所要時間30分ですが、ガスを使う時間は15分です。
裏返したとき、どの芋もホイル越しに柔らかさを感じました。この時点で、ほぼ食べられる程度に焼けていたとみています。

焼け具合と味
グリルから出し、なんとか素手で触れるようになってからホイルを外しました。黒ホイルで焼いた方が焦げ目が多くついているような気がします。
さて、お味は・・・?
なーんだ、どちらもおいしくできている!皮を剥がして切り分けると、もう、どちらがどちらか判別がつかない状態。味はほとんど変わりませんでした。
焦げ目がやや強く出たことを考えると、黒ホイルならより短時間に仕上がったのかもしれません。時短というのがポイントなので、味よりも、仕上がり時間を優先的に比較すべきだったなあ、と焼いてみてから気づいた次第です。

おわりに
本格的に比較実験を行う場合は、きちんと方法を考えて、サンプルとなる材料の厚みや包み方を揃え、同じ計測機器を使い、同じタイミングで温度測定や焼き上がりの評価をする必要があります。さらにその作業を、試料(今回の例ならサツマイモ)を変えて複数回繰り返し、検定して有意差の有無などを確かめたりすることになると思うので、家庭のおかず作りの片手間で比較するのは限界が。
ということで、黒ホイルはパッケージにあるとおり、内部の温度上昇が定番ホイルより早い感じはありました。早く糊化して酵素が働き、早く焼き上がる。さらに温度も高めの熱々焼きいもに仕上がる、といった印象です。
より早い温度上昇とより高温になる特性に着目すると、焼きいもだけでなく、ホイル包み焼きや、ナッツ類をちょっとだけ焙煎したいときにも役立ちそうです。