グリンピースに見えるこのお豆は、実は絹さやの中のお豆が大きくなったもの。
絹さやは高級品種?
絹さやは、さやが絹のように薄くやわらかく、そしてお豆が小さい状態でさやを味わうエンドウです。
収穫時期は、関東の場合4月中旬~下旬ですが、この時期の太陽に当たってすくすくと大きくなるため、中のお豆もぐんぐん育っていきます。
そのため、さやが薄くお豆が小さいちょうどよい収穫の時期はごく限られています。
和食店を営んでいる友人は、絹さやは美味しいし料理の見た目もよくなるけれど、高くてランチには使えないと話していました。
絹さやの市場価格が少し高めな理由は、このように出荷可能な時期が限られていることにあるのかもしれません。
すくすく育った絹さやは、中のお豆が大きくなりグリンピース近い大きさに。
さやはお豆が育つに従って中のお豆を守るために固くなっていくので、最終的にはお豆だけをいただきます。
むっちり大きくなった絹さや(エンドウ)は、豆ごはんに。旬の炊き立てのごはんは、たまらない風味豊かな香りです。
同じ畑で採れた大根と、お揚げのお味噌汁と共にいただきます。
絹さやとサヤエンドウ、グリンピースの違い
絹さやは、絹さやエンドウの略。「サヤエンドウ」とも言いますね。
まず、「絹さや」と「サヤエンドウ」に違いはあるのでしょうか?
JAグループによると…
サヤエンドウ
JAグループ とれたて大百科 より
緑黄色野菜と豆の良さを合わせ持つ
エンドウマメを若どりし、さやごと食べるのが「サヤエンドウ」です。品種は、小ぶりのキヌサヤや大ぶりのオランダサヤエンドウ、肉厚のスナップエンドウなどがあります。
ちなみに、エンドウとグリンピースは共に「実エンドウ」と呼ばれ、その名のとおり実を食する種類です。
中でも未熟なものが「グリンピース」、熟したものが「エンドウ豆」と呼ばれています。
まとめるとこんな感じ。
マメ科エンドウ属の成長状態と呼び名
未熟な状態 | 熟した状態 | 完熟な状態 |
さやエンドウ:鞘を食べる | 実エンドウ:実を食べる | 実エンドウ:実を食べる |
さやエンドウ (絹さやエンドウ) | グリンピース スナップエンドウ | エンドウ豆 |
まるで出世魚のようですね。
同じ種から、それぞれの成長状態で味を楽しむことができるというわけです。
とはいえ、それぞれをより良い状態で美味しくいただくには、個別に開発された種が販売されていますので、目的別に選ぶのが一般的です。
さて、サヤエンドウは栄養価が高いことでも知られています。
サヤエンドウの栄養についても、JAグループさんの記事から紹介させていただきます。
サヤエンドウの栄養
緑黄色野菜で栄養価もとても高い野菜です。カロテン、ビタミンC、食物繊維が豊富です。豆部分にはビタミンB1やたんぱく質、必須アミノ酸のリジンも含まれています。リジンは体の成長や修復に寄与します。集中力の向上や、カルシウム吸収の促進の効果もあります。
JAグループ とれたて大百科 より
栄養について、より詳しくは管理栄養士MINORIさんに「春夏秋冬野菜物語」で紹介していただきます。
お豆と野菜の境界はどこか?も知りたいところです。
サヤエンドウは、栄養価も高く、簡単な調理法で味のバリエーションを楽しめるので、ぜひ旬のうちにたくさんいただきましょう!